かつて大阪に
狭山遊園という小さい遊園地があった。そこに何故か、三式戦 キ61「飛燕」が展示されていた記憶がある。
親父が撮ってくれた、直父と機体が一緒に写ってる白黒写真がアルバムにあったように記憶してる。
銀かグレーの塗装、黒っぽいスピナー、機首上面の防眩塗装。コックピットには座れなかった。それ位しか憶えていないが、他に空自の T-6 テキサンや F-86D セイバー があったように思う。
ネットで検索すると、見つけたこのサイト「
ヒコーキ雲」の中の「
川崎キ61三式戦Ⅱ型改飛燕(6117)の戦後史」には狭山遊園で展示があったことは記されていないが、1962~63年に修理されてから1986年まで、全国いろいろな所で展示されていたようだ。
内容がいささか間違ってたが、以前に当Blogで記事にした(16-08-29)通り、本日から「
川崎重工創立120周年記念展 - 世界最速にかけた誇り高き情熱 -」が開催されている。
で、初日から「飛燕」(キ61-II改 二型試作17号機)を見に行ってきた。場所はポーアイに行く神戸大橋の袂にある神戸ポートターミナル・大ホール
友人拾って行ったのでオール下道は、例え神戸といえども渋滞の連続でキツい。おしっこ我慢しつつ、やっと到着ス(ほっ
50年ぶりの「再会」となる。
ま、見ての通りのベコベコの外板(飛行機は近くで見ると結構ベコベコw)であるが、これが世界で唯一のマトモな飛燕であり、国から産業遺産群にも認定されてる貴重な機体でございます。(オーストラリアでI型が復元中とか)
それにしても、この造形の美しさは液冷エンジンの成せるワザ…
ほんとに美麗な機体だ。
施された修復は、主に外観やコックピット周りが主のようだが、欠損部分を新しいパーツをどんどん使って機能させるような修復方法は余りおこなわれておらず、オリジナルを優先させる文化財的価値を保ったままの作業を実施したようだ。
操縦系はエルロン・エレベータが外部から固定されていたり、ラダーに操縦索が欠品してる所を見ると、ロッドや操縦索などは再現されていないのかもしれない。操縦桿があるのかとコックピットをのぞき込んだが、角度が悪くて良く分からなかった。(予算や時間の都合でもあったのかな?
液冷機・飛燕の特徴である冷却器は本機では欠損していたので「新たに」製作したものだと。真ん中のコアがオイルクーラーで両脇のコアがラジエター
飛燕の場合は冷却液には一般的なグリコールエチレンじゃなくて「水」を加圧して使ったので、液冷というよりは「水冷」と言っても良いのかもねw
飛燕Ⅱ型のエンジン「ハ140」
キ60-Ⅰ 飛燕Ⅰ型に積まれてのは ドイツのDB601を基に造られた「ハ40」 これを発展させたのがⅡ型に搭載された「ハ140」だが、ご多分に漏れず大戦末期の日本の工業力の低下により、この液冷エンジンをまともに生産できなくなり、エンジンのない「首なし」飛燕が多数生まれた。やがて飛燕は空冷星型エンジンに換装され キ100 五式戦と相成る。
ハ140の過給器 ターボじゃなくてスーパーチャージャー
これも当機では欠品してたので、DB603 現物を参考にリビルドしたものだと。メイキングの映像見てると3Dプリンタで作ったようだ。
こちらが DB603 の過給器
同行の友人(機械加工のベテラン)と、当時のドイツの工業力について生産技術的見地から大いに語るwww (友人はハ140のクランクを、ぜひ見たいとご所望されてたw
ま同じスーパチャージャーという繋がりで、オートバイの H2R が一緒に展示されてる所以かと… H2R はオタク直父にとってはいらんのだけどもねw
復元した計器盤
コックピットもどきwww
などが展示されてた。
オートバイも H2R が更に2台
懐かしい GPZ750 turbo !!
会場外に出ると、対岸には つがる型ヘリ搭載型巡視船 9番艦 「せっつ」が接岸中
(別に展示してるワケじゃないけどwww
ヘリを運用できるので空つながり、ということで…
お土産は「飛燕の時代」というかがみがはら航空宇宙博物館開館15周年記念企画の図録と、飛燕&H2Rのクリアファイル
図録は飛燕Ⅰ型・Ⅱ型・五式戦の折り込み図面もある割にり540円とお安い。(企画展は5年前の開催だが、図録は今月の改訂版)
とにかく初日ということも合わせて人で一杯で、デジカメで撮るのもたいへん…
故にイメージに他人様が多数写り込んでますが、いちいち修正する元気がないので、都合の悪い方はコメントにてご連絡をお願い致します。<(_ _)>
なお展示は11月3日までです。興味のある方は急げ~