今回のターゲットはご近所「沓掛城」である。誰が何時造ったのか詳細は不明。最近までルートが分からず全山藪漕ぎ→遭難か?と考えていたのだが、辺りが府立大学の演習林になってることを思い出し、検索してみれば「洛西散策の森」として整備されてる。そういやぁ随分昔にココの取り付きまではバイクで来たことがある。
同行者、ちー。なおは前回の探索に懲りたか、さっさと友達の所へ遊びに出掛けた。軍隊では敵前逃亡は銃殺刑である(笑
今回はご近所&帰路ルートを未定にしてるため家から完全徒歩行動。高速道路建設の前準備で変わりゆくご近所を探索しつつ、小一時間歩いて取り付きに到着。
亀岡に向かうR9沿いの成章高校を越えた所、京都霊園への入り口から山の方へ入るが、この辺りの雰囲気は「拾遺都名所図会(江戸時代の観光ガイドブック)」の図絵と同じ臭いがする。
明治時代に「京都宮津間車道(車道と言っても「自動車」が通る道ではない。通行するのは人力車・牛馬が引く大八車である。計画では道幅3間とある。)」として造られた小畑川沿いの狭い峡谷をトレースし老ノ坂トンネル(開設当時の呼称は松風洞)に至る現在のR9ではなく、現在の老ノ坂峠より約500m南に位置する峠に向かう旧山陰道は、この辺りから西北西の方向にストレートにアプローチしていたに違いない。明治時代の地形図からもそれが伺えるが、京都霊園・清掃工場・京都縦貫道による大規模な地形の改変で旧老ノ坂峠の京都市側直近の旧山陰道は完全に消滅してると思われる。アーメン
さて、山城探索の第一歩。洛西散策の森の入り口から山城隣のピークまで約20分で比高差130mを一気に稼ぐ。垂直登坂に近いヨ。直父はもうヒーヒーハーハー。ところが、ちーはあんまり息も乱さずに登ってくる。認めたくないものだな、若さ故の…(爆
ピークから展望良し。若干霞が掛かってるので遠望はやや不良。チキンランドは見えない(笑 目指す城跡のピークはすぐ真西に見える。靴が靴なので二人とも濡れ落ち葉で滑って急な下りは結構怖い思いをする。やはり山歩き用の靴は必要と痛感。鞍部を過ぎて程なく山城跡付近に到着。つうか山城の削平された曲輪の下段部分がルートとなってる。テーブルまで設置されてるがナ。
登るに連れルート横の斜面を北側に逸れ、山城のピークへ到着。削平の度合いも小さいので、ほんの出城・監視所と言った所か?例によって雑木林状態だが、密度は薄いので探索は容易。土塁?浅い堀切確認。5・6段に削平された曲輪を尾根伝いに確認し降下しながら散策の森の別ルートへ降りる。この降下、ちーにはちょっとスリリングだったかな?
ルートに出て暫く歩いた所の分岐送電線の鉄塔の下で昼食のオニギリ*2個。急に天候が怪しくなってきたので早々に本日の折り返し地点、首塚に向かって出発。散策の森ルートから疑似?旧山陰道へ降下ルートは若干強引。H16年に焼却炉を持つ清掃工場としては廃止された旧西部クリーンセンター専用道の下をくぐる。この清掃工場建設時の削平で本来の旧山陰街道の老ノ坂峠は消滅したのでは?
足元に細々と水が流れてるので、これが小畑川の源流かもしれない。すぐにナンとも言えない雰囲気の舗装路に出ると左側に祠が…首塚大明神へ到着。
こちらに来て四半世紀。R9は通勤で散々通ってた時もあったが、老ノ坂トンネルの手前から入る首塚への道は一度として入る気がしなかった。その道へ入るのを躊躇わせる強い何かが有ったのだが、今回はその道を使わないので、比較的お気楽に考えてココまでやってきたが、う~んスミマセン。参りましたゴメンナサイ…
この辺り京都では有名な、いわゆる心霊スポット。でも本当にヤバそうなのは途上にある某ハイオクと聞くが…きっとそれと一緒くたされて迷惑してる、祀られてる方々やその他諸々の方々の不満が鬱積してるんかなぁ? 疑念に充ち満ちた重い空気が漂ってる。誰何されてるよな気もする。
首塚大明神自体は手入れの行き届いた、信仰されてる方の思いが伝わってくる所である。
あるblogでココを管理しておられる方が訪ねてきたヒトに、首塚大明神の悪い噂をweb上から消去する方法を尋ねてられた、という記述があったが、それくらい関係者の方は迷惑されてるんでしょうなナ。もちろんその方法は中国政府でもない限り無いが…
酒呑童子の首塚故、首から上の病気に効くらしい。あんまり長居する雰囲気ではなかったので、さっとお詣り(懸命に弁明かナ?)して、国分け石の写真を撮って帰路に。
山を歩き足りない気がしたので大枝山回りで帰宅しようと思ったが、遂にポツポツと雨が降ってきて、二人ともペナペナのビニールポンチョしか持ってなかったので、急いで疑似?旧山陰道を引き返すことに。以後の道中は雨が降ったり止んだりの繰り返し。京都縦貫道下り車線横の舗装路に出て再びR9に至る。
丁度下校時刻だった成章高校の学生が測道に消えたので、同じようにR9をくぐる地下道を通り小畑川を渡り、伝書鳩の家?辺りから大枝の旧山陰道を歩く。雨がキツくなってきたので、大枝神社で雨宿り。忌明けしてないので参拝しちゃイカンのだろうけど…緊急避難で何卒ご勘弁を。
京へ向かう旧山陰道を山崎海道(西国街道へ接続)との分岐を南に取り家に向かうが、雨に濡れて急に寒くなってきたので、来来亭で一服。汁まで飲み干す。途上、柿(大枝の富有柿として富に有名)を買って帰る。辺りは実を付けた柿の木だらけである。
晩秋の愁いで全身が満ちた今回の山城探索であった。ちーも探索が結構面白かったらしい。誠に殊勝なこと。