♪~出囃子
さて相も変わらず、ばかばかしいお笑いを一席
まぁ、事の起こりはちーのこの一言から始まったのでありますナ。「この家の台所にはなんで御札がないの?」
キター! まった誰かに言わされとるんかー?? 勘弁してよ~(泣
まあ言われたからには気が気でないのが小心者の直父でして、取りあえず消火器をですな、買いに行きよりました。
でありますが、やっぱり御札がないと心許ない、なんか落ち着かない…
そこで相も変わらず頼りない連中が御札をもらいに行くとなる訳ですが、さて京都の家庭や商売さんは、かなりの確率で台所や厨房に愛宕神社の「阿多古祀符 火迺要慎」と書かれた御札を貼っとりまして、この京都市の愛宕神社、火伏せの神さんで全国の愛宕神社の総本宮でありますワ。その名も愛宕山ちゅう山のてっぺんにあります。例のイージス鑑の名前の由来ですわ。あんまり名誉なことではおまへんナ、迷惑なこっちゃ。
しかもその参道、いや「登山道」は結構険しいのなんの。そーですが愛宕山に登る方は大変多いです。信仰心が厚いとでも言うんでっしゃろか、単にものごっつい健脚の方の中には毎朝出勤前に登る方もおられるそうですナ。今回も走って登ってる人見ましたがナ。とても真似できまへん…
ま、もっとも地元の中高生はこの愛宕山に走って登ることを学校行事で強要されとる訳でありましで、そういう学生達のうらみつらみがこもった山とも言える訳でありますナ。育ちが京都の直母もその口でございます。いい思い出はなさそうです。
直父は愛宕詣は過去1度きり。なんせ以前、近所に住んどりましたからアパートから歩きで頂上までちょうど3時間ぐらい。今日は会社に車を置いてバスで、お化けトンネルを通って清滝まで行きまして、表参道からえっちらおっちら愛宕詣の始まりとなります。お化けトンネルでは案の定何かの声がするっ!…とよく聞いたら前を走ってた市の清掃車のスピーカからのものでした。くわばらくわばら。もちろん清滝にも駐車場がありますんで、そちらに駐めた方がよろしゅおしたナ…
まーこの表参道は、清滝トンネル前の鳥居元から愛宕神社までを50丁に分けて1丁毎に標石やお地蔵さんが置いてありますん。二の鳥居から登り始めて25丁目、3合目までは急坂の階段ばかりなので、やたらしんどいですナ。この辺りは落語の愛宕山の幇間(太鼓持ち)のやり取りでお馴染みですナ。もう少し先の5合目まではややしんどいです。その先はかなり楽になりますが、山登りには変わりませんので普通にしんどいですワ。
我が小隊は休憩ばっかりで一向に歩が進まず、言い出しっぺにもかかわらず、ちー一等兵は文句タラタラ、なお二等兵は足元軽やかながら腹へったを連呼。小隊長直父は汗でずくずく。作戦参謀直母は重装備が祟って登りが辛そうです。
おまけに一番見晴らしのいい7合目の休憩所から先は、参道が踏み固められた雪に覆われておりまして滑って怖いのであります。他の登山者(殆ど中高年)の皆さんは殆どアイゼン付けてはります。その他の装備もよろしなぁ。さすが中高年の山登りがブームであることが、よう分かりま。といっても数の増加は質の低下。あちこち山の雰囲気を下げますようなきつい言葉の看板が置かれてますナ。まぁどこぞの世界でも共通した問題かと…
我が小隊は全員モトクロスの時の長靴ですワ。万が一の時に荒縄を準備しただけで、もちろんアイゼンなどなく普通に滑りますなあ。さすがにホームセンタで買った長靴だけはあります、底が薄いので足先の冷たいこと冷たいこと…と思もてるうちに愛宕神社に到着。境内の最初の方の石段は雪が積もってただの急なスロープでしたわナ。本堂への階段は幅1m分だけ申し訳程度除雪してあるものの急な上に滑りそうで怖いやら、疲労もピークに達して足の重いこと重いこと。
やっとの事で辿り着いた本堂でお詣り。お賽銭は滅多に来ないであろう神社であるからして、いつもより奮発しましたワ。御札貰って本堂下の休憩所でストーブでお湯を沸かして昼食。長い階段の除雪してない方で、子供たちはビニール袋でそり遊びよろしく滑り降りてました。バチあたってもしりまへんで。 頂上は気温0℃ 下界より10℃ぐらい低い案配ですナ。
下山ルートはもと来た参道を下るだけ。といっても7合目までは雪道ですので慎重に…と歩いていたのは直父だけで、子供たちは滑るのが面白いみたいで、長靴でザーザー滑りながら下山しとりま。まーその速いこと速いこと…直母もブロックが高い「マディ用」の長靴でして、ちびたハード用の長靴で怖々降りる直父をさっさと置いてけぼり…まー薄情な奴らでっしゃろ。
ほんでも最前登ってきた時より気温も高くなったのか、踏み固められた雪も緩み存外滑らず、尻餅もつかなんだ。まぁ御利益御利益というわけで。
7合目を過ぎますと、もうまともな雪もなくなり、なおは不満げ。3合目からはいよいよ急な階段の下り道。直父の悪い方の左膝がキリキリとこう根を上げ始めます。今度来る時は下りは別ルートをとりまひょ…途中でカエルの木を発見。ホンマ3合目からの下りは直父にとっては地獄でしたナ。最後のコンクリ舗装の所は身体をこう斜めにして降りましたワ。
それにしても、全行程中、なおの元気なこと。登りは若干パワー不足で辛かったみたいでしたが、下りはさすがに軽量級二等兵。飛び跳ねて降りてましたナ。伊達に学校で休み時間はいうに及ばず、授業中もじっとしてられなくて動き回ってるだけあるわ…
って、この噺、下げがおまへんナ…お後がよろしいようで。